快適スーツの新たな挑戦①
ウエットスーツは、ピチピチのものは、私はかなり苦手です。
海外のプロチームにいた頃、海外の選手はピチピチが大好きで、スポンサーのスーツを試すときに、ワンサイズ下のものを着て、タイトに着ていました。
確かに、最初はボディが締め付けられていて、浮いて速いのですが、それで1.5km、ロングになると3.8km泳ぐとどうなるかというと、後半は肩の疲れとの闘いになります。
肩がパンパンになります。
昔から、独特なウエットスーツ着用時の肩の疲れは何なんだ?と考えながら試行錯誤をしていました。
当時、プロの時は、スイムで1秒を争いますから、肩の疲れは致命的です。
スポンサードが終了してからは、自分で工場に頼んで、自腹で購入して研究。
本当に色々試しました。
採寸の寸法から、型紙に起こす際のサイズを変更してもらい、緩めに作ってもらったり、骨格の可動域に合わせて、カッティングや、生地の厚みを変えたり。
以前より、理想の快適さに1歩ずつ近づいていきましたが、何か根本的なものが違う…
プールで、泳いでは止まって、毎回ウエットスーツの肩部分を引っ張って考えます。
この時、持ち上がりにくいんです。
ペターっとして、でも空気が入ると、スッと持ち上がる。
「原因は、これなんだよな…」
と分かっていても、どうにもできない。
これが、大気圧。
目には見えないけれども、かなりの力で空気によって物体は押されている。
新聞紙を床に敷いて、真ん中に凧糸をつけて引っ張り上げる。
新聞紙は軽くて持ち上がるはずなのに、べたっと広げると持ち上がらない。
ところが、新聞紙の下に、床との隙間を作ってあげると、すぐ持ち上がる。
めくったり、網の上に置いたり。
子供の頃、その原理は分かっていたけど、大人になってまた考えるとは思いませんでした。
ふと、スーツの肩部分に穴が空いた生地を使ってみては?と思いつきました。
それが、他とは違うウエットスーツ開発の始まりでした。
この続きは、またの機会に。
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